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think of me/no more tears
歌手は生き方そのものが歌に表れるという。 この曲を初めて聴いた時、目をむいたのを覚えている。「何かあったのだろうか?この、今までとは桁違いの表現力はなんだ!?」と。 小室哲哉プロデュースから離れた初だったか、もしくは第2弾あたりの曲。 それまであまりにも小室系のダンサブルな曲のイメージが強かったせいか、この曲は「彼女に合わない」と言う人もいた。 私がこの曲を歌う彼女の歌声に、とてつもない表現力を感じたのは、曲調が変わったせいではない。小室プロデュースから離れた曲だとは知らなかったのだから。とにかく、それまでの彼女のボーカルとは、圧倒的に違う何かがあった。人生の虚無感、やるせなさ、それでいて愛する者とのつながりを信じ、固く誓うような気持ち。それらをまさに「訴える」ように歌う力強さ、哀切さ…。嘘でなく、「何かあったのだろうか」と思わせられる歌唱であった。 この曲を発表してそう経たないうちに、彼女はこの曲の内容のような人生のあるひとつの結果を出す。この曲を歌った彼女の胸には、秘められた万感の思いがあったに違いない。 この歌(あえて「歌」とさせて頂く)はまさに安室奈美恵の生き方が反映された歌である。経験を歌に反映させることのできる歌い手として、彼女は本物である。現時点でも、この曲は彼女の最高傑作であると私は思っている。

